中途採用研究所

中途採用とは

近年、労働力の不足や就労意識の変化を受けて、中途採用を行う企業がますます増加しています。採用競争が激化する中で中途採用を成功させるためには、自社に合った採用手法を導入することがカギとなります。

この記事では、そもそも中途採用とはどのようなものか、どのような中途採用の手法があるかについて説明していきます。中途採用の基礎知識を知りたい、中途採用を成功させたいという人事担当者はぜひ参考にしてください。

中途採用とは

企業が行う採用は、大きく分けて2つあります。「新卒採用」と「中途採用」です。
ここでは、中途採用と新卒採用の違いや中途採用の手法について詳しく見ていきましょう。

中途採用と新卒採用との違い

新卒採用は「ポテンシャル採用」と呼ばれ、実務経験を問わず今後の成長に期待して採用を行いますが、中途採用は「キャリア採用」とも呼ばれ、入社後すぐに業務で成果を出すことを期待して採用を行うという点で異なります。

ただし、近年は「第二新卒」を採用する企業も増加しています。「第二新卒」とは、新卒で入社した後、3年以内に転職就職を目指す者のことです。即戦力として期待できるほどのスキルを持ち合わせてはいませんが、特定の企業カラーに染まっていないため自社になじみやすく、さらにある程度のビジネスマナーを身に付けているため教育コストが新卒採用の場合よりもかからないというメリットがあります。こうした点を評価し、「第二新卒」を採用する企業が増えています。

中途採用の種類・手法

中途採用にはいくつかの種類・手法があります。それぞれの概要とメリット・デメリットについて見ていきましょう。

◆求人Webサイト
求人情報をWeb上で公開しているサイトのことで、有名なものとしては「リクナビNEXT」や「DODA」、「マイナビ転職」などが挙げられます。求人サイトは不特定多数の人間が閲覧するため、応募者を広く集めることが可能です。その反面、応募数が多くなってしまう特定の企業・業種においては、欲しい人材を絞りきることが難しいというデメリットがあります。

◆合同企業説明会、転職イベント
複数の企業を特定の会場に誘致し、求職者に対して会社説明会を実施するイベントです。東京ビッグサイトをはじめ、全国各地のイベント会場やセミナールームなどで催されます。多くの求職者に自社の存在をアピールできる一方、興味本位で接触してくる求職者も多いため、選考では自社の採用方針に合わせて人材を見極めることが必要です。

◆自社サイト
自社のサイトに「採用情報」のページを設け、求人情報を掲載する方法です。自社サイトのため自由に作成できることが特徴で、「社長メッセージ」や「プロジェクト成功秘話」などのオリジナルコンテンツを公開することもできます。求人Webサイトと比較して広告料がかからないメリットがある一方、サイト制作や運用の手間がかかることがデメリットです。

◆ハローワーク
正式名称は公共職業安定所といいます。厚生労働省が設置する行政機関です。「求人票」の掲載料は無料で、応募者の紹介までしてくれるため、採用コストを抑えることができます。またハローワークは各自治体に設置されているため、その地域に住む人材にアプローチしやすく、地域密着型の企業には適した募集手段であるといえます。

◆人材紹介・ヘッドハンティング
厚生労働省の許可を受けた職業紹介事業者が求職者と企業を仲介し、求職者の希望に合った求人を紹介する事業です。企業側にとっては、希望に沿った労働者との接点が持ちやすいこと、また入社時課金のため、採用コストの削減が期待できます。

◆ダイレクトリクルーティング
経営者、役員、採用担当者らが自ら候補者を見つけアプローチするという採用の手法です。求人媒体や人材エージェントなどに求人を依頼して求職者を待つのではなく、企業側がリクルーターやコネクションなどを利用して直接、採用活動をすることを指します。企業から求職者にアプローチする手法のため、本人に入社意欲があるとは限りません。そのため、採用過程での動機形成にはそれなりの工夫が求められます。

◆ソーシャルリクルーティング
FacebookやTwitterなどのSNSを使って採用活動を行うことを指します。費用がほぼかからないため、採用活動にかかるコストを抑えることが可能です。例えばFacebookを使ったソーシャルリクルーティングでは、自社のFacebookページを運用して求人募集や会社説明会などのイベントの告知を行うことができます。ほかには、ビジネス用SNSであるLinkedInやWantedlyなどのSNSも有名です。

◆リファラルリクルーティング
社員の人脈を通じて人材を紹介・推薦してもらう採用手法のことです。広義の意味では縁故採用ともいわれますが、社員の親族や血縁者に限らず、仕事上のネットワークによって紹介される人材も対象になります。自社の社風をしっかりと把握している社員が推薦する人材であるため、ミスマッチを防ぎやすくなります。人づてによる人材紹介なので求人広告に掲載するよりもコストを抑えられることもメリットです。

中途採用の意義とは

企業が安定的に経済活動を行うためには、新卒採用だけではなく中途採用を行うことも必要です。ここでは、中途採用を行う意義について説明していきます。

即戦力の獲得

新入社員はポテンシャル採用のため、どうしても戦力になるまで時間とコストがかかります。だからといって、新入社員育成のために全社のリソースを割くわけにはいきません。利益を生み出し、事業を推進させる力を持つ人材を採用する必要があります。そのため、中途採用の社員には、すぐに現場に投入しても能力を発揮できる「即戦力」が期待されます。

教育コストの節約

新入社員はビジネスマナーから仕事の基本的なやり方まで、ありとあらゆることを教育していく必要があります。研修も数週間から数カ月に及び、その間、時間や人のコストが発生します。中途採用社員であれば、すでに基本的なビジネススキルを身に付けているため、その分の教育コストを抑えることができます。

組織の多様化

中途採用社員は勤めてきた会社の風土の影響を受けているため、自社の社員にはない、さまざまな価値観を持っています。異なるバックボーンを生かし、社員同士が仕事の進め方などを議論することで、組織が多様化します。すると、斬新な施策が生まれ、多様化するマーケットニーズに対して迅速に対応できるようになります。「多様な価値観」は企業の成長には欠かせないものの1つであり、重要な要素です。

中見出し欠員補充や増員

社員の退社に伴う欠員や、プロジェクト拡大による増員の際には、新しく社員を募集する必要があります。新入社員はスキルが未熟なことが多いため、すぐに欠員補充要員として配属させることはできません。対して、すでにスキルのある中途採用社員であれば、即戦力としてチームに貢献することができます。

中途採用の今後

終身雇用・年功序列といった制度が機能していた時代とは異なり、現在は新卒で入社した企業に定年まで勤めず、転職をしながらキャリアアップしていくことが珍しくなくなりました。また、2017年6月12日発表の「DODA転職求人倍率レポート」によれば、2017年5月における転職市場の求人倍率は2.46倍となっており、転職者にとって有利な「売り手市場」が続いています。今後も人材不足が続くとみられ、中途採用を行う企業にとっては、しばらくは受難の時代が続くでしょう。

また総務省の労働力調査によれば、2006年に24.8%を占めていた45歳以上の転職者は、2016年には35.6%に増加していました。同調査によればほかのどの年代よりも45歳以上の転職者の増加比率が大きく、転職者の年代層が年々変化していることが伺えます。これまで転職業界には35歳を超えると転職が難しくなるという「35歳の壁」があるとされてきました。しかし、その壁は崩壊しつつあるようです。

さまざまな手法を用いて失敗しない中途採用を

中途採用の基本的な内容や採用手法を紹介してきました。中途採用の手法はリファラルリクルーティングやソーシャルリクルーティングなどさまざまあります。自社の投資予算や採用目的に合わせて採用手法を活用し、中途採用を成功させましょう。