人材ビジネス用語集

専ら派遣 もっぱらはけん

「専ら派遣」とは、派遣労働者を特定の会社(1社または複数社)に限定して派遣することです。専ら派遣を目的として労働派遣事業を行うことは、労働者派遣法によって禁止されています。

詳しく解説

専ら派遣に該当するのは、「定款などに記載されている事業目的が専ら派遣である場合」「派遣先を確保する努力が客観的に認められない場合」「特定の派遣先を除く会社からの労働者派遣の依頼を正当な理由なく拒否している場合」です。専ら派遣に該当すると判断された場合、その会社は「事業停止命令」か「許可取消し処分」のペナルティを課される可能性があります。なお、グループ企業に労働者を派遣するために人材派遣子会社を設立し、労働者を派遣することを「グループ内派遣」といいます。

専ら派遣を目的とした労働者派遣事業はNG
ただし例外として認められる場合もある

専ら派遣を禁止している理由としては、まず、「正社員の雇用機会の減少を防ぐため」という目的が挙げられます。専ら派遣が可能になると、人件費を抑えるために派遣社員ばかりを雇用する企業が現れるかもしれません。

収入が不安定な派遣労働が増えると、労働者のキャリアアップを妨げるだけでなく、雇用差別や貧困状態を招く要因にもなります。また、専ら派遣における労働者は不当な賃金で労働に従事させられる恐れがあります。これを防ぐことも目的の1つです。

仮に専ら派遣が認められているとすると、どのような事態を招くでしょうか?
ある会社は専ら派遣を行うための派遣会社を設立し、そこに社員を転籍させた上で元の会社に派遣し直し、低い給与で労働に従事させるでしょう。

これが横行すれば、正社員と同じ業務内容であるにも関わらず、派遣労働者の労働条件だけが不当に下げられることが当然のように行われることになるのです。
なお、労働者派遣法第48条2項では、「厚生労働大臣は、労働力需給の適正な調整を図るため、労働者派遣事業が専ら労働者派遣の役務を特定の者に提供することを目的として行われている場合において必要があると認めるときは、当該派遣元事業主に対し、当該労働者派遣事業の目的および内容を変更するように勧告することができる」とされています。
万が一、勧告を受けた後も専ら派遣を続けた場合は、上述の罰則(「事業停止命令」もしくは「許可取消し処分」)を受けることになるでしょう。

※厚生労働省「専ら派遣について」の図を元にクイックが作成しました。

ただ、専ら派遣には例外も存在します。これは派遣法施行規則第1条の3に記載されている、「派遣元事業主が雇用する派遣労働者のうち、10分の3以上の者が60歳以上の者(他の事業主の事業所を60歳以上の定年により退職した後雇い入れた者に限る)」という条件を満たす場合。
つまり、派遣元が雇用している全派遣労働者の3割以上が「他の事業所を退職した後に雇った60歳以上の派遣労働者」である場合は、例外的に専ら派遣が認められることになるのです。

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